損害保険
一人親方の工事保険 現場での損害賠償の法律と賠償責任保険について
小さな工事しかしていなくても、周りには高価なものが溢れているのが建設現場です。
そのため、うっかり壊したり怪我させてしまった場合に役に立つのが賠償責任保険。俗に言う工事保険ですが、一人親方でも必要なものでしょうか?
保険料が高くても入るべきなのか。どんなことに気をつけるべきか書きました。
 
 
損害賠償と賠償責任保険
自分ではない誰かのものを壊して弁償したり、怪我をさせてしまった時の治療費と慰謝料を支払うのが損害賠償です。
そしてその支払いに対する保険を賠償責任保険といいます。
この損害賠償と賠償責任保険について、私たちにとって1番身近なものは自動車事故と自動車保険の対人対物です。
被害者の車を修理する、もしくは全損の場合の補償が対物補償。怪我の治療費と慰謝料を対人補償。
現場でも誰かに怪我をさせたり、ものを破壊してしまうこと、想像はできると思います。そういった場合に補償してくれるのが賠償責任保険です。
 
 
賠償責任保険は一人親方にとって必須の保険
一人親方にとって、賠償責任保険は必要なのかという疑問があります。
毎月数万円の保険料を支払ってまで加入する必要があるのかというと、一人親方に賠償責任保険は必須といえるでしょう。
なぜなら本当に保険が必要なのは小規模の事業者だからです。
資金に余裕があれば、保険になんて加入する必要がありません。
たとえば工事中に通行人を怪我させてしまったとしましょう。治療費と慰謝料を合わせて200万円でした。慰謝料の相場は交通事故より高くなりますし、実際にそのぐらいの金額を支払うのは珍しいことではありません。
もしここで200万円を支払っても困らないのなら、保険に入る必要はありません。
一人親方の売上高は1000万円と仮定します。その中で利益が500万円だとしましょう。そこで200万円の事故があれば一気に生活が苦しくなりませんか?
それが年間1億円の売上高の事業所であれば、同じく200万円の損害でもダメージは少ないでしょう。
同じ金額の事故であっても売上高によってインパクトが違うのはおわかりになったかと思います。
このように大きい事業であれば保険がなくてもなんとかなりますが、一人親方は大きなダメージを負うことになります。
今回の例えでは200万円でしたが、もっと大きい金額になる事故の可能性もある。そうなれば個人事業主である一人親方にとってはダメージが大きすぎます。
このような理由から事業の規模が小さい一人親方は、賠償責任保険への加入は必須と言えるのです。
賠償責任保険適応の条件
賠償責任保険は偶然な事故により被保険者が身体的な損害もしくは財物の損害を与えた場合に、法律上の賠償責任を補償する保険。
簡単に言い換えれば、保険に加入している人が他人の物を壊したり、怪我をさせて、法律上で弁償する必要があれば、保険金がおりるということ。
たまたま起きた事故(想像できるものであってはならない)でかつ、自分の物でもない他人の身体や物への損害でなければなりません。そして法的に必要な金額である必要もあります。
たとえば内装工事中に工具を落としてしまい、床を傷つけてしまった。周りにある食器を割ってしまった。もしくは外装工事中に工具を振り回して通行人に当たってしまい怪我を負わせた。などがあります。
 
 
損害賠償の中で保険適応されないもの
損害賠償が発生しても、保険の適応ではなく補償されないものもいくつかあります。
1つが天災による損害。天災による損害は法律上でも賠償責任はありませんので、保険の対象外になっています。
この他にも、賠償責任保険で気をつけるべきポイントを紹介します。
自分(や元請)の所有物
まず1つ目が自分の持ち物や元請の持ち物を壊してしまっても補償されません。
自分の持ち物は賠償する必要がないので、保険の対象でないのは理解できます。しかし元請の持ち物も補償されないのはなぜでしょうか。
それは工事の現場において、元請は身内であり、自分側だからです。
たとえば家族の持ち物は、日本では弁償する必要がありません。もし自分の家族が所有しているクルマをあなたが傷つけてしまっても、損害賠償の責任がありません、ですから賠償責任保険では対応できないのです。
これと同じことが現場での元請の持ち物に対しても起きます
要するに元請の資材や持ち物は、自分の物であるという認識なので法律上の賠償責任が発生しないということになります。
管理下財物
2つ目のは管理下財物です。
管理下財物というのは、自分のものではないけれど、自分が傷つけないように管理すべきもののこと。
具体的には借り物や預かっているもののことです。
借りた工具。もしくは修理などのために預かった家具などが管理下財物にあたります。
要するに自分のものではないけれど、自分が壊れないように管理すべき責任が発生しているもののことをさします。
この管理下財物は自分のものとしてみなされるため、賠償責任保険では対象になりません。
 
 
工事対象物
そして工事の対象物を壊しても保険の対象ではありません。
例えば電気屋がエアコンを取り付ける場合の穴を開けるべき壁。これは工事対象物であり間違って穴を開けても補償されません。あくまでも偶然の事故でなければならないため、工事対象物である壁の穴は事故ではなく、ミスから生まれたものであり、保険の対象にあたらないということです。
 
 
一人親方は賠償責任保険に入りましょう
一人親方は賠償責任保険への加入は必須です。
一人親方でも元請さんでも、担当する現場は変わりません。だから事故が起きた場合の賠償金額は同じです。しかし売上は違います。
同じ金額の事故でも一人親方にとってはとても大きなダメージになりかねません。
幸いにも保険は売上高に応じて保険料が決まりますので、一人親方の場合は比較的保険料が少なくて済みます。
もし迷っているのなら、一人親方でも必ず加入するようにしましょう。
 
 
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