一人親方労災保険を悪用した詐欺事件について

2018年5月 他人になりすまして一人親方労災保険に加入して、休業補償給付金をだまし取っていた男3人が警視庁に詐欺容疑で逮捕されました。

なんとこの男は、土建で労災に加入したそうです。土建は、本人確認をせず、誰でも適当に入れたんですね。さすが共産党の下部団体です。

埼玉労災では、設立時から一貫して、加入時に運転免許証等で本人確認を当然していますので、免許証他、本人確認資料そのものを偽造しない限り加入できません。

加入者について役所のチェックは甘かった?

実は、一人親方労災保険の加入者の生年月日が書類上、届出が義務化されたのは、まだ最近の出来事でした。

おそらく、この事件前後だったと記憶してます。現在、一人親方労災保険の加入希望者の届出事項のうち本人の属性に関するものとしては、氏名、生年月日のみで、その前は、名前だけだったのです。そして労災保険で治療を受ける際も労災保険の申請書だけで良かったのです。

考えてみるとめっちゃくちゃユルイですよね。

病院もけっこういい加減

他人になりすまして治療を受けられるのか?と思う方もいるかも知れませんが、これは今でも横行しているように思われます。無職の人が友人の保険証を借りて、友人になりすまし保険治療を受ける実例を知っています。

病院の窓口では健康保険被保険者証しか見てません。これがあれば国から診療報酬をもらえるからです。保険証のコピーを流用して水増し請求をしている病院はたくさんあるのですよ。病院が本人確認を厳格にしていたら、そもそも起こりえる事件ではないはずです。

狙われたのは休業補償給付

新聞報道によると、男は6回で360万円をせしめたそうです。これは逆算すると、給付日額を最大の25,000円に設定しています。それはバレますよ。もし犯人が、一人親方労災保険の実務を知っていたらそんな給付日額を設定しません。

なぜかというと、給付日額を10,000円以上にして、休業期間が3ヶ月もしたら、すぐ給付を一度止められて、監督署が本人にいろいろと問いただしているからです。ひまな田舎の労働基準監督署ならもっと、その条件は厳しいはずです。

他人になりすました時点でアウト

この犯人がなぜ捕まったかというと、他人になりすましたこと。そのことがわかった時点で犯罪の構成要件を満たしているからです。また、保険金の受け取りは銀行振り込みなので、他人の架空口座も用意したいたものと推定できます。現在は、架空口座は銀行が本人確認を厳格にしていますので、名前を使われた人物がいるはずです。

もし仮に成りすましをせず、本人として堂々とやったら立件が難しかったようにも思われます。

昔、現場で勝手に自分で救急車を呼び労災を主張した男がいて、その主張を崩すのに苦労したことがありましたのでほんとにそのように思います。

産経新聞より転載

この事件の影響は?

こういうことが起こると、厚労省は通達で対応することになります。

本人確認の厳格化

この事件が原因とは言ってませんが、労災保険特別加入団体に通達が来ました。本人確認法により本人確認を厳格にしなさいということです。もちろん義務ではありませんが、今度、このような事件が起これば本人確認を怠った労災保険特別加入団体がなんらかの責任を負うことになるでしょう。もともと本人確認はやってましたが、さらに厳格にやる必要が出来てしまいました。困ったものです。

地方の労働局には、顔写真付きの身分証明書(運転免許証等)のコピー添付が必須となっているところもあります。

元請の明確化

それと、労災保険の書類を書く際に、必ず元請名を入れるように指導されるようになりました。たしかに一人親方労災保険は自分が下請として入った現場でしか適用されないのですが、事故の有無や内容について、労働基準監督署が元請に確認しやすいようにしているのでしょう。

高額な給付日額については所得証明

給付日額で16,000円以上を設定する場合は、加入者の所得の証明として確定申告書の写しを取るようになりました。埼玉労災でも給付日額を20,000円以上に設定するように指定されることがありますが、たいていはお断りしています。もちろんなぜそのような給付日額を設定したいのか事情を聞いて納得ができて、また所得の証明もあればお引き受けします。

結局、行政の指導は労災保険特別加入団体に対するものばかりです。成りすましに治療をした病院や詐病の診断をした医師の責任はどうなっているのでしょうか。

埼玉労災も取材されました!

この事件について書こうと思ったのは、この報道が出る前にマスコミから取材を受けていたためです。新聞記者は一人親方労災保険の制度や仕組みを理解していませんでしたので、制度の仕組みから始まって、問題点等、細かくレクチュアしました。

特に読売新聞の記事は、埼玉労災で教えたとおりに書かれていました。

ところで、なんでマスコミが埼玉労災に取材してきたかというと、犯人の一人がさいたま市岩槻区の住人だったためです。埼玉労災一人親方部会の事務センターは岩槻区にありますので、記者がアタリを付けてきたのでしょう。

でも実際に犯人が利用した労災保険特別加入団体は土建でした。

一人親方労災保険を悪用した詐欺事件についてのまとめ

住宅工事現場で作業中にけがをしたと偽って労働基準監督署に他人名義の労災保険を申請し、休業補償金約520万円をだまし取った疑いで男3人が逮捕されました。この結果、埼玉県警が埼玉労働局に対し、本人確認が不十分だと指摘したそうです。

こういうことが起こると労災保険特別加入団体に対する行政指導が行われ、本人確認の厳格化や手続に必要な添付書類の増加で事務量が増えますので、本当にやめてもらいたいです。

やはり、悪いことはできないものです。もっとも善良な一人親方様にはまったく関係のない話ですが。

 

一人親方の労災保険のご加入のお問い合わせはこちら

埼玉労災一人親方部会 https://www.saitama631.com/

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