水道設備工事とは生活に必要な水道に関する工事のこと。
水道設備工事業は一人親方にとって、どんな仕事なのか、その年収と年収アップ方法は?そして水道設備工事業の一人親方にとってのメリットやデメリットはどんなものがあるでしょうか?
水道設備工事業の一人親方ってどんな仕事?
水道設備工事業とは「給水管引込工事」「屋内配管工事」「下水道排水設備工事」の3種類があります。
それぞれに専門業者が存在し、仕事内容も似ているようで違います。
建築業許可でわけると水道設備の工事は、土木工事と管工事にわかれていて、水道管だけを扱う工事許可はありません。
家や工場や社屋や商業施設などの敷地内に水道を引きこむ、そして下水を下水配管に流す。これは建物外の地中などの工事のため、土木工事の一貫です。
建物内に吸水管や排水管をはりめぐらせる工事は管工事の一貫ということになります。
それぞれ仕事内容が異なりますし、必要な資格も違うということは覚えておきましょう。
水道設備工事業の年収は?
水道設備工事業の年収の平均は394万円(2018年度)です。
建設業の平均と比べると同程度、日本人の平均年収と比べると少し少ない金額。
あくまでも平均ですが、年齢別の平均月収を比べてみると、幅が広く技術や経験によって年収は大きく変わってくるようです。
年齢による、会社にお勤めの水道設備工事業の平均月収を見てみると
- 20代 18.6万円/月
- 30代 26.4万円/月
- 40代 35.2万円/月
と、年齢によって大きな差が生まれます。
そして一人親方の平均年収は710万円程度。もちろんこちらも経験などによって幅は広いですが、受ける仕事などによって大きく年収をあげられるということです。
会社員であれば資格を持っているかどうかで、収入が大きく変わるでしょう
水道設備工事業の一人親方が取得すると有利な資格
水道設備工事業の一人親方が取得すると有利な資格は4つ。
- 給水装置工事主任技術者
- 下水道排水設備工事責任技術者
- 管工事施工管理技士
- 土木工事施工管理技士
給水装置工事主任技術者と下水道設備工事責任技術者に関しては、行う工事によって資格をとっておくべきです。
そして残りの2つの施工管理技士は、会社や専任技術者になれる資格です。
将来的に一人親方ではなく、組織化をして元請や一次下請けなどでやっていくためには必要です。
給水装置工事主任技術者
給水装置に関する管理や給水装置工事をする者の技術上の指導監督などが行える国家資格です。
水道工事自体はこの資格がなくても行えますが、現場監督をするにはこの資格が必要となります。
受験資格は実務経験が3年以上必要で、試験は実務と学科の2つ。
下水道排水設備工事責任技術者
排水設備の工事の指定工事店になるには、下水道排水設備工事責任技術者の資格が必要です。指定工事店の認可を受けるためには、下水道排水設備工事責任技術者の資格の有資格者が常勤でいなければいけません。。
条例によりこの指定工事店にならなければ、下水道の工事はできません。ですから一人親方にとっても必ず必要になる資格です。
管工事施工管理技士・土木工事施工管理技士
この2つの施工管理技士は、一定の規模以上の工事を受ける、建設業許可を取るために必要な資格です。
さらに工事を行うためには、専任の技術者の選定も必要ですので、組織化した会社を元請などで大きくしていくには必ず必要な資格です。
しかも国家資格でかつ、1級については長い実務経験が必要で、さらに合格率は20%。とても難関の資格であり建設業界で重宝されます。
年収への影響も大きく、キャリアを形成する上で重要な資格と言えます。
- 1級管工事施工管理技士の受験資格
- 大学の指定学科を卒業後、3年以上の実務経験
- 大学の指定学科以外を卒業後、4年6か月以上の実務経験
- 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業後、5年以上の実務経験
- 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業後、7年6か月以上の実務経験
- 高等学校の指定学科を卒業後、10年以上の実務経験
- 高等学校の指定学科以外を卒業後、11年6ヶ月以上の実務経験
- その他の者は15年以上の実務経験
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で5年以上の者は合格後、5年以上の実務経験
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で5年未満の者は高等学校の指定学科を卒業後、9年以上の実務経験
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で5年未満の者は高等学校の指定学科以外を卒業後、10年6か月以上の実務経験
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で5年未満の者はその他で14年以上の実務経験
- 技術検定合格者は10年以上の実務経験
- 専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で合格後3年以上の者は合格後、1年以上の専任の主任技術者経験を含む3年以上の実務経験
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で合格後3年未満の者は短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業後、7年以上の実務経験
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で合格後3年未満の者は高等学校の指定学科を卒業後、7年以上の実務経験
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で合格後3年未満の者は高等学校の指定学科以外を卒業後、8年6か月以上の実務経験
- 2級管工事施工管理技術検定合格者で合格後3年未満の者はその他で12年以上の実務経験
- 高等学校の指定学科を卒業後、8年以上の実務経験
- 高等学校の指定学科以外を卒業後、11年以上の実務経験
- その他の者は13年以上の実務経験
1級土木工事施工管理技士の受験資格
- 1年以上の指導監督的実務経験年数
- 大学の指定学科を卒業後、3年以上の実務経験
- 大学の指定学科以外を卒業後、4年6か月以上の実務経験
- 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業後、5年以上の実務経験
- 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業後、7年6か月以上の実務経験
- 高等学校の指定学科を卒業後、10年以上の実務経験
- 高等学校の指定学科以外を卒業後、11年6か月以上の実務経験
- 上記以外の者は15年以上の実務経験
- 2級土木施工管理技術検定合格者で5年以上の者は合格後、5年以上の実務経験
- 2級土木施工管理技術検定合格者で5年未満の者は高等学校の指定学科を卒業後、9年以上の実務経験
- 2級土木施工管理技術検定合格者で5年未満の者は高等学校の指定学科以外を卒業後、10年6か月以上の実務経験
- 2級土木施工管理技術検定合格者で5年未満の者はその他で14年以上の実務経験
- 専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者
- 2級土木施工管理技術検定合格者で合格後3年以上の者は合格後、1年以上の専任の主任技術者経験を含む3年以上の実務経験
- 2級土木施工管理技術検定合格者で合格後3年未満の者は短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業後、7年以上の実務経験
- 2級土木施工管理技術検定合格者で合格後3年未満の者は高等学校の指定学科を卒業後、7年以上の実務経験
- 2級土木施工管理技術検定合格者で合格後3年未満の者は高等学校の指定学科以外を卒業後、8年6か月以上の実務経験
- 2級土木施工管理技術検定合格者で合格後3年未満の者はその他で12年以上の実務経験
- 上記以外の者は高等学校の指定学科を卒業後、8年以上の実務経験
- 上記以外の者は高等学校の指定学科以外を卒業後、11年以上の実務経験
- 上記以外の者はその他で13年以上の実務経験
- 2級(両資格ともに)
- 大学の指定学科を卒業後、1年以上の実務経験
- 大学の指定学科以外を卒業後、1年6か月以上の実務経験
- 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業後、2年以上の実務経験
- 短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業後、3年以上の実務経験
- 高等学校の指定学科を卒業後、3年以上の実務経験
- 高等学校の指定学科以外を卒業後、4年6か月以上の実務経験
- その他の者は8年以上の実務経験
- 技術検定合格者は4年以上の実務経験
http://www.jctc.jp/より引用し抜粋
水道設備工事業で一人親方として働くメリット
水道設備工事業で働くメリットは、絶対になくならない仕事という点です。
それだけ技術が発達しても、水道は間違いなく未来にも存在し、他には変えがたいものです。
言い換えると生命を維持するためのインフラなので一生仕事には困らないでしょう。
人口減少とともに水道工事も減るとおもわれるかもしれませんが、そうではありません。現在日本にある水道管の多くは老朽化が進んでおり、管理修繕は逃れられません。ですからその点でも仕事がなくなることはありません。
水道設備工事業はこれからもとても忙しい
そしてオリンピック需要が終われば、水道工事も少なくなるんじゃいかという不安もあるかもしれません。
しかしオリンピックがなくなってもその先には大阪万博もあるし、さらにカジノを建てるIR事業などもあります。
今後また10年間は建設業が忙しいと見られており、さらに水道はどんな建物でも欠かせないもの。いつの時代も必ず水道設備工事業の仕事はあります。
水道設備工事業のデメリット
水道設備工事業のデメリットは見習い時の給料が安いことです。
これを防ぐには早く技術を身につけて一人前になること、そして資格をとることです。ただし資格を取るのも実務経験が必要なものも多いので、年収があげにくいでしょう。
そして年齢とともに給料も上がるし、一人親方になれば収入も増えます。
ただしそれ以上になれば、組織化する必要があります。
水道設備工事業の一人親方のまとめ
水道設備工事業は3種類の工事があります。
土木工事の一種である給水管と下水菅の工事、そして管工事で一緒である屋内配管工事です。それぞれ建設業の許可も違いますので、同じ水道の工事でありながら別物の仕事です。
下水道排水設備工事責任技術者のように、持っていなければ工事できない資格もあります。
年収は建設業の中でも平均的。ですが年齢とともに上がる幅は大きく、一人親方になれば年収はあげられるでしょう。
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