よくある質問に「現場監督は一人親方労災保険に加入できますか?」というものがあります。
現場監督とは施工管理の仕事で、工事の進行や品質、予算や安全を担当する仕事です。通常、元請けの社員が行っていると思われますが、個人請負で発注会社から業務委託契約で現場監督をしている方も実際にはかなりいるようです。
現場監督の仕事とは
現場監督の仕事としては、だいたいはこんな感じです。
〈1〉現地を確認し、設計図面を精査し内容を把握
〈2〉設計・営業担当者と図面や予算について打ち合わせ、プランニング
普通、工事現場で直接な工事作業をしていないことから労災保険は必要ないと考えられますが、なぜか一人親方労災保険に加入することを希望する方がいます。
現場に入るのに必要
話を伺うと、個人請負の現場監督が、自分自身の工事現場での危険性を感じて、一人親方労災保険に加入したいわけではなく、その工事の元請けに「一人親方労災保険」に加入するように求められるからという理由のようです。
現場監督は、建設作業をしないことから、建設業の一人親方に該当しません。それにも係わらず、元請けは労災保険に加入することを求めているわけです。
建築士や土地家屋調査士も
同様の理由で、建築士や土地家屋調査士、測量士の人たちも労災保険に入りたいと連絡をもらうことがあります。皆さん、一様に「現場には入るけど工事はしないし、危険な作業もない」と言います。
元請けが要求するから
結局、元請けが現場入場に際して、出入りする者すべてに労災保険を要求しているため、このようなことが起こります。事実として、建設作業をほんのちょっとは手伝う場面があったりもしますから、現場に入る以上は労災保険は絶対に必要という方針なのでしょう。
以上の事情から、仕方なく一人親方労災保険に加入したいという事になるようです。
元請け会社にも事情がある
法律上、一人親方労災保険の加入が必要ではないと知っている元請けもあると思います。また、労災保険のことをよく理解せずに一人親方労災保険に加入するように言う元請けもあります。しかし、もし、現場でなにかあれば、真っ先に責任を負うのが元請けです。
現場に来るすべての人が労災保険に加入していれば、とりあえず安心と考えるのも無理はありません。
基本、労災保険は誰でも、いつでも加入できる
「明日から、建設の仕事をやります」と言えば、事実はどうであれ、労災保険特別加入団体としては加入をお断りする理由はありません。
労災保険特別加入団体によっては、現場監督と聞いただけで門前払いする団体もあるようですが、埼玉労災一人親方部会では、労災保険の加入を希望される方の事情をよくお聞きして、現場で建設作業をちょっとでも手伝う可能性があれば加入をお引き受けしています。
また、その際に実際にご加入時に届け出た業種の建設業の作業をした時に被災した場合にしか、労災保険が使えないことも説明しています。
実際に労災保険は使用できるか?
上に書いたとおり、現場で怪我をしたときに実際に労災保険が使えるかという問題があります。基本、加入時に指定した建設業の指定した作業をしたときでないと理論的には労災保険は適用されないと考えてもらって大丈夫です。
通勤災害も使えないと考えた方がいい
現場へ行く途中、返る途中の通勤災害はどうなるのでしょうか。これはケースバイケースになると思います。実際に工事作業をやる予定だったり、工事作業をやった帰りなら通勤災害が適用されますが、そうでない場合は使えないとお考え戴いた方がいいと思います。
現場監督 一人親方労災保険のまとめ
現場監督という職種であっても、多少でも実際に建設作業をやる方は一人親方労災保険に加入できます。現場監督というだけで埼玉労災一人親方部会では門前ばらいにしたりは致しません。
加入希望者の個別の事情をよくお聞きして加入可能と判断できましたら加入して戴きます。また事故時は実態に則して労災保険が適用可能かどうか判断させて戴いております。
一人親方労災保険のご加入は→埼玉労災一人親方部会へ