職人は引き抜きにあった時どのようにすればいいか

引き抜き
職人をしていると、別会社からの引き抜きにあうこともあります。

引き抜きにあったとき、どうしたらいいのでしょうか?

職場の社長、親方はどう思うのか?

そして断った場合はどう思われるのか?

そしてどうすれば上手くまとまるのかについて書いています。

引き抜きとはどんな感じ?

引き抜きされる時はいったいどんな感じかというと、場所はいろいろある。

現場で親方が見ているところで堂々と誘われることはありませんが、たまたま親方がいない現場もあるでしょうし、独り立ちしていてほとんど1人で動いている職人さんもいらっしゃることと思います。

そんな場合はどこでも引き抜きにはあいます。

  • 現場
  • 飲み会の席
  • 休憩中の喫煙所

など場所は様々でしょう。

そして、突然小声で声をかけられるものです。

だいたい日当いくらもらってるの?」から始まって、いろいろ話した結果「うちなら〇〇円出せるけどこっちで働かない?」と言われることが多いでしょう。

その他にも、地位を用意するとか、昇進させてあげるとか言われ、かなり耳にいい言葉を聞くことも多いでしょう。

ただし基本的に引き抜きは喜ぶべきことです。

自分の会社に欲しい。給料を出してでもうちで働いて欲しい。

こういう声かけは、あなたのことを認めているから声をかけられるということなので、気分はいいものです。

まずあなたは自信を持てるいい機会になるでしょう。

ただし、喜び勇んで転職をするにはまだ早い!

なぜなら現在の職場との関係も十分に考えなければならないからです。今まで育ててもらった恩もあるでしょうし、弟子としての感謝の気持ちも持たなければなりません。

引き抜きの違法性

〇×

ごく稀に、引き抜きは違法じゃないのかという、指摘がありますが基本的に法律で罰せられることはありません。

日本人には職業選択の自由がありますので、基本的には問題ありません。

実際にはあなたは同業者に引き抜かれた際に問題になるのは、競業避止義務違反ですが、憲法との関係について、少し難しいですが解説をします。

競業避止義務違反

1番問題になるのは、競業避止義務違反です。

これは競業、すなわち同業者に転職することを禁止する会社の規約のこと。

基本的に法律ではなく、会社と従業員の関係の中にある義務です。しかもこれは会社規約で指定しておかないと当然ですが効果を発揮できません。

そして日本国憲法には職業選択の自由(憲法22条1項)があります。

この競業避止義務と真っ向から対立する憲法であり、しかも日本では憲法が1番上位の法律です。ですから理論上対立した場合は、憲法が勝ちますので競業避止が認められることはなさそうです。

しかしながら認められる場合もありそうです。

それは競業によって、企業側が大きな損害を被る場合などに認められています。

なぜかというと合理性がないと見られる規約はに民法上の公序良俗違反(民法90条)として無効とするとなっており、特約の適用範囲に一定の例外が認められています。

裁判例では、

  • 従業員の地位・業務の性質
  • ノウハウ等の要保護性
  • 勤続年数
  • 競業避止義務が課される期間
  • 代償措置の有無

などを考慮して公序良俗違反の成否を判断する判例が多いです。

例えば管理職であり、企業秘密度の高いノウハウを持っており、その対価とみるに十分な橋梁をもらっていた場合には、権限も低く情報も薄いものである平社員などの保護に値しない基本給以外に特別な手当も支払われていない場合とを比較すると、公序良俗違反は認定されにくい傾向にあります。

どんな場合が訴えられる可能性があるの?

じゃあ、いったいどんな場合に訴えられる可能性があるかというと。

その会社しか持ち得ない技術などがあった場合に、その会社からあなたがA社に転職することで技術が転用されて、とんでもなく大きな被害が元の勤め先が被る場合には、競業避止義務違反となり、本人に損害賠償を請求される可能性もあります。

間違ってはいけないのは、引き抜いた会社だけでなく、引き抜かれた本人も損害賠償を請求される可能性があると言うことです。もっとも可能性があるというだけで、実際に裁判になることは希です。

引き抜きされると職場ではどう思われるか

法律の問題の他に、周りの目も気になると思います。

特に職場でどう思われるかについては、考えておいた方がいいでしょう。

というのも建設業界では、小さな会社であれば、別の現場でも顔を合わせることも多く(だからこそ引き抜きをされる)、転職をしたとしても、今後顔を合わせることもあるでしょう。

世間は狭いので、それを無視することはできません。

基本的にどう思われるかは、親方の人格次第としか言えません。

というのも、給料をあげられるからと言えば、さすがに気分を害するかもしれませんが、例えば職務の幅が広がったり、自分が挑戦したい分野に挑戦するのであれば、親方は止めない可能性もありますし。

どんなにあなたにとって有益な転職であっても、自分の会社が困るからと許してくれない親方もいるでしょう。

ですので基本的に、一度相談してみるしかありません。

黙って転職するということだけは辞めておいた方がいいでしょう。必ず恨みを買うことになります。

どうせ恨みを買うのであれば、しっかりと相談をして、その上で気持ちよく転職をするか、もしくは無理やり転職をするという方法もあるでしょう。

いずれにしても確実に相談はしておいた方が無難です。

一人親方になればどこにも迷惑をかけない

一人親方最後に、どこにも迷惑をかけずにこの問題を解決する方法があります。

それは一人親方になること。

そして両方の仕事をうけて、どちらの親方の顔も立てて、あなたも自由に仕事を選ぶことができるようになります。

一人親方と言えばもちろん個人事業主ですので、リスクも伴います。

仕事がなくなれば食っていくこともできません。

ですからそれなりの覚悟は必要です。ただその変わりに、仕事の選択の自由が手に入ります。

一人親方になればメリットもデメリットもあります。

まずデメリットですが

  • 安定していない
  • 事務処理を自分でする必要がある
  • 営業も必要
  • 社会保障を自分で準備する必要がある

という点があります。

今まで事務処理や仕事をもらってくること、そして厚生年金もないので老後の準備も自分でしていく必要があるでしょう。

そしてメリットは

  • 仕事を選べる
  • スケジュールは自由
  • 両者の顔を立てられる
  • 年収は上がる

というメリットがあります。

自由に仕事が選べるので単価の高い仕事に移っていくことができるし、仕事を入れる日と入れない日の調整も自由。

もし家族のイベントがあっても必ず参加ができます。

さらに声をかけてくれた社長や親方、どちらの顔も立てることができて、どちらにも迷惑をかけることなく今回の問題を全て解決できます。

さらに社会保障がない分よりも多くの収入を得られるようになります。

このようにメリットとデメリットはあるものの、引き抜きされるだけの実力を持っている人であれば、ぜひ一人親方として独立に挑戦してみるのは最良の方法なのかもしれません。

まとめ

引き抜きされた場合の対処法や法律についてお話をしました。

基本的に日本人には憲法で職業選択の自由が認められているので、転職についてなんの問題もありません。しかし場合によって、元の職場に大きな不利益を与えた場合、訴えられてしまう可能性はあるでしょう。

ただしそれはほんの一部の可能性だけです。

そうでない場合でも、まずは一人親方になることで解決することもできますので一度考えてみるといいでしょう。

労災保険や生命保険などについても、一人親方部会などに相談すれば安心です。

埼玉労災一人親方部会

一人親方の労災保険のご加入はこちらから

埼玉労災一人親方部会 https://www.saitama631.com/

ページトップへ戻る