一人親方は労災保険の特別加入に健康診断は必要か?

健康診断

一人親方が労災保険に特別加入する際に、健康診断は必要とされません。

ただしいくつかの業務に一定期間従事していた場合は、健康診断を実施した上で、加入できるかどうか判断を行う場合があります。

特定業務健康診断

冒頭でも述べたとおり、一人親方が労災保険に特別加入する場合、一般的には健康診断は必要ありません。

しかし特定業務に従事していた場合は健康診断が必要です。

特定業務とは

  • 粉じん作業を行う業務
  • 振動工具使用の業務
  • 鉛業務
  • 有機溶剤業務

の4種類の業務が該当します。

4種類の特定業務とは

4種類の特定業務を詳しく解説します。

それぞれの細かい職務内容とその期間、そして実施する健康診断の種類をご説明しましょう。

粉じん作業を行う業務

粉じん作業を行う業種とは以下の通り。

  • 土石、岩石又は鉱物を掘削する場所における作業
  • 岩石又は鉱物を裁断し、彫り又は仕上げする場所における作業
  • 研磨剤の吹き付けにより研磨、又は研磨剤を用いて動力により、岩石・鉱物もしくは金属を研磨、ばり取り、金属を裁断する場所における作業
  • セメント・フライアッシュ又は粉状の鉱石、炭素原料もしくは炭素製品を乾燥し、袋詰めにし、積み込み、又は積み降ろす場所における作業

この業務に3年以上従事している場合は、じん肺健康診断という診断を受ける必要があります。

振動工具使用の業務

次に掲げる振動工具(圧搾空気を動力源とし、又は内燃機関、電動モーター等の動力により駆動される工具で身体局所に著しい振動を与えるものに限る)を取り扱う業務

  • 削岩機
  • ピッチングハンマー
  • コーキングハンマー
  • ハンドハンマー
  • コンクリートブレーカー
  • スケーリングハンマー
  • サンドランマー
  • チェーンソー
  • ブッシュクリーナー
  • エンジンカッター
  • 携帯用木材皮剥ぎ機
  • スィング研削盤
  • 卓上研削盤
  • 上記に掲げる振動工具と類似の振動を身体局所に与えると認められる工具

以上の業務が、具体的な内容です。

この振動工具を扱う業務を1年以上従事している場合は、振動障害健康診断という診断を受けてから加入することになります。

使用頻度が低い場合は健康診断は必要ありません

例えば大工なら電動丸鋸やネイルガン等の電動工具を使用していると思いますが、使用頻度はそれほど高いとは言えません。経験年数が長くても健康診断は通常は必要ありません。

鉛業務

鉛業務とは以下の業務のことを指します。

  • 鉛化合物を含有する釉薬を用いて行なう施釉又は当該施釉を行なった物の焼成の業務
  • 自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務
  • ゴム若しくは合成樹脂の製品、含鉛塗料又は鉛化合物を含有する絵具、釉薬、農薬、ガラス、接着剤等を製造する工程における鉛等の溶融、鋳込、粉砕、混合もしくはふるい分け又は被鉛若しくは剥鉛の業務
  • 鉛装置の破砕、溶接、溶断又は切断の業務

以上の業務に6ヶ月以上従事している場合は、鉛中毒健康診断という診断を受けて頂く必要があります。

有機溶剤業務

有機溶剤業務とは以下のことを指します。

  • 有機溶剤等を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌、加熱又は容器もしくは設備への注入の業務
  • 有機機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務
  • 有機溶剤等を用いて行うつや出し、防水その他物の面の加工の業務
  • 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務
  • 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務
    有機溶剤等を用いて行う洗浄又は払拭の業務

ちなみにここで示されている有機溶剤とは主にキシレン、N・N-ジメチルホルムアミド、スチレン、テトラクロルエチレン、1・1・1-トリクロルエタン、トリクロルエチレン、トルエン、ノルマルヘキサン等を指します。

以上の有機溶剤業務を半年以上従事していた場合には有機溶剤中毒健康診断という診断を受けてから加入することになります。

主に屋外で作業する一人親方は健康診断は必要ない

水性塗料しか使用しない場合、また有機溶剤を使用する場合でも、主に屋外で作業する場合は健康診断を受ける必要はありません。

加入を先行優先することが出来ます

健康診断があると、明日から労災保険が必要なのに、すぐ加入できないのではないかと心配される方も多いと思いますが、大丈夫です。ご安心を。各労働局により多少扱いが違うようですが、加入前健康診断を指定している労働局は少なく加入後の診断が可能です。つまり、

まず、加入してからもその後、健康診断を受けて戴くことが可能です。

この場合、一定の期間内に労働局が指定する病院で健康診断を受けて戴きます。指定された期間内に健康診断を受診しなかった場合、加入を取り消される場合もありますので注意が必要です。

加入できないこともあります

健康診断を受けた結果、すでに所定の疾病にかかっている場合、特別加入をお断りする場合もございます。

  1. 特別加入予定者がすでに疾病にかかっていて、その症状または障害の程度が一般的に就業することが難しく、療養に専念しなければならないと認められる場合には、従事する作業の内容にかかわらず特別加入は認められません。
  2. 特別加入予定者がすでに疾病にかかっていて、その症状または障害の程度が特定の作業からの転換を必要とすると認められる場合には、特定作業以外の作業についてのみ特別加入が認められることとなります。
  3. 家内労働者の場合、特別加入予定者がすでに疾病にかかっていて、その症状または障害の程度が特定作業からの転換を必要とする程度であると認められ、他の作業に転換した結果特別加入者としての加入要件を満たさなくなる場合には、特別加入は認められません。

特定業務健康診断の手続方法

特定業務健康診断の手続きの流れのご説明をします。

  1. 必要になった場合には、特別加入団体を通じて、「特別加入時健康診断申出書」を監督所長に提出します。
  2. 申出書の業務歴から判断して加入時健康診断が必要であると認められる場合は「特別加入健康診断指示書」と「特別加入時
    健康診断実施依頼書」が交付されます。
  3. 指示書に記載された期間内に、指定された診断機関の中から選んで加入時健康診断を受診。依頼書は診断実施機関に提出します。
  4. 診断実施機関が作成した「健康診断証明書(特別加入用)」を申請書または変更届に添付し、監督署長に提出。

という流れで、特別加入時健康診断を行います。

ですから加入時に健康診断が心配でも、必要がない場合もございますので、まずは特別加入団体に相談するのがいいでしょう。

ちなみに加入時健康診断の費用は国が負担してくれますのでご安心くださいませ。

特定業務の場合でも相談の上決断を

ご自身が健康診断が必要な業務に関わっているからといて、特別加入ができないわけではございません。

場合によっては健康診断自体必要ないケースもありますし、健康診断を受けたとしても疾病が確認できなければ、特別加入に制限がかかることもありません。

実務的には健康診断が必要になるのは有機溶剤を使用する塗装業の方が多く、その他の業種の方は健康診断を受けるようなケースは希です。

ただし、健康診断の結果、疾病が確認できた場合は、一人親方労災保険の加入をお断りすることがあるのでご注意ください。

まずは労災保険特別加入団体に相談するといいでしょう。

 

一人親方の労災の特別加入についてはこちら↓
一人親方労災 特別加入制度

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一人親方が加入すべき生命保険

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