豆知識
一人親方が事務員を雇う際に注意すること
事務員
一人親方が事務員を雇う場合に注意すべき点はたくさんあります。
もし知らなければ、法律を破ってしまう場合もありますし、それで仕事が無くなる可能性もあるでしょう。
そして知らなければ、金銭的に損をしてしまうこともあります。
ですから今回は一人親方が、フルタイムで働いてくれる事務員を雇う際に注意することを書いていきます。
 
 
どんな事務員さんを募集したいですか?
事務員さんを雇用する場合の一番の問題点は、求めるレベルの事務員さんが来てくれない可能性があること。
そしてそもそも雇おうと思っても応募が来ない場合もあります。
事務員を募集するとき、ハローワークや張り紙で募集することも多いと思いますが、実際ハローワークで応募が来ることは少なくなってきました。
有料の求人紙に出す必要があるかもしれません。
そうやってやっと応募が来たとしても、全くの未経験でパソコンすら触ったことがないという人が応募してくることもザラです。
その場合は手とり足取り教える必要も出てくるでしょう。
教育には想像以上に時間がかかります。
一人親方になった時、なにがなんでもやらなきゃいけなかった事務作業。やらざるを得なかったため、私達は必死でできるようになりました。
しかし事務員は、仕事を覚えなくても会社にいれば給料がもらえるます。無理矢理覚えなくてもいいんですね。
そうなれば覚えが悪いこともあるし、間違えることだってある。そうなればチェックする必要もあるし、自分がやったほうが早いんじゃないかと思ったことがある一人親方さんも少なくないでしょう。
それでも仕事を覚えるまで根気よくやらざるを得ないのです。
もちろん責任感が強く、自分で仕事を探して率先してやってくれる方もいますが、ほとんどの場合はこれに該当しません。
仕事ができる事務員を雇うまでには相当な時間と労力が必要です。
ここが注意点の1つ目です。
 
 
事務員を雇うと社会保険に加入する必要がある
事務員さんであっても、人をフルタイムで雇う場合は加入する必要があります。
労働基準法で定められているので、対応は必須です。
社会保険には
  • 労災保険
  • 雇用保険
  • 健康保険
  • 厚生年金
があるわけですが 事務員を雇っている場合に、すべて加入すべきなわけではありません。
ケースによって違いますので、ケースに分けて紹介していきましょう
5人以下の場合
雇用する従業員は5人以下の場合は事務員さんを雇った場合は中小企業事業主として労災保険と雇用保険に加入する必要があります。
まず労災保険の話をすると、事務員に給料を支払う以上は災保険への加入が必要です。その場合は一人親方、個人事業主として事業所自体の労災保険の加入が必要となります。
また年間100日以上働く事務員を雇用した場合、一人親方自身が加入している特別加入労災保険は中小企業事業主の特別加入労災保険に切り替える必要が出てきます。
労災保険は仕事中や通勤中の怪我を補償するもの。労災保険に加入しなければ、事務員さんが万が一怪我をした場合に病院に行けずに困ることになります。
ただ軽微な怪我であれば、病院に行かずに治ったり、国民健康保険で病院に行くこともあるでしょう。しかし交通事故で骨を折った場合などであれば話は別。
病院に行く必要がありますし、その場合に国民健康保険は使えません。労災保険で治療する必要があります。
国民健康保険にしてしまうと、あとで仕事上の怪我や通勤災害であることが発覚すると保険者から実際に給付に要した費用を請求される可能性があります。
雇用保険の話もしましょう。
雇用保険は明確に数字が決まっていて、週に20時間以上勤務するのであれば、労働基準監督署にて雇用保険に加入する必要があります。
細かい手続きはここで省きますが、ハローワークで詳しく教えてもらえます。
5人以上雇用する場合
事務員さんを雇う場合は、基本的に1人だけ雇うということは少ないでしょう。
何人か職人さんを雇っていて、その事務手続きが多くなりすぎたため、事務員さんを雇うというケースがほとんど。
その場合は従業員が5人以上になることもあるでしょう。
5人以上の場合はすべて社会保険に加入する義務があります。(任意包括適用事業所)
労災保険は中小企業主として。雇用保険の手続きもパートの場合と同じです。
社会保険の新規加入手続き日本年金機構にて行います。
 
 
社会保険はお金がかかる
5人以上雇用した場合は 社会保険への加入が義務になるわけですが、これだけで人件費が跳ね上がります。
概算ですが社会保険に加入しなかった場合と比べて、1.6倍ぐらいの人件費がかかると思った方が良いでしょう。
ですから事務員を雇って、従業員が5人になる場合には、その費用がかかることを前提に給料を決定する必要があります。
他の職人さんに関しても、社会保険加入を理由に、給料の減額を相談する必要があるかもしれません。
その場合には国民保険の加入していた費用が減りますし、老後の年金についても貰える金額が増えることをお伝えした上で交渉を行う必要があります。
 
 
税務署で手続きを行う必要がある
事務員を雇ったら、税務署で手続きを行う必要があります
怠っても罰金等があるわけではありませんが、過去に遡り支払う義務がありますので、後々大きな金額の請求書に困らないようにするために間違いなく手続きを行いましょう。
給与支払い事務所等の解説・移転・廃止の届出書を提出する
まずは従業員を雇った場合はそのタイミングから一ヶ月以内に「給与支払い事務所等の解説・移転・廃止の届出書」を税務署に提出する必要があります。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
給与支払い事務所等の解説・移転・廃止の届出書とともに、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出も必要です。
従業員が10人以下の場合にこの特例が受けられるのですが、給料の支払いとともに所得税の一部を天引きして、納税する必要があります。
これ基本的に毎月行う義務があるのですが、かなり手続きが大変です。ですからこの手続きを簡略化するために、この特例の承認申請書を提出します。
そうすれば、年に2回の納税で済みますので、事務員を雇って事務作業が増えるということをできるだけ減らすようにしてください、
家族を事務員として雇う場合
事務員さんを雇う場合、建設業で多いのが家族を事務員として雇用する場合です。
家族を事務員さんで雇う場合にも、税務署で行うべき手続きはあります。
節税できるメリットがあるので、必ず行うようにしてください。
家族を雇う場合は青色事業専従者として雇用することになり、それが節税のために有利です。
青色事業専従者を雇うには以下の手続きが必要ですので注意が必要です。
  • 青色申告承認申請書
  • 青色専従者給与に関する届出書
を税務署に提出する必要があります。
その上で給与を家族に出して事務作業をしてもらえば、節税に繋がります。知らなければ損をするので注意が必要です。
 
 
雇用契約
事務員を雇う場合の注意点の3つ目が雇用契約についてです。
雇用契約を締結する必要があります。
雇用契約とはどのような条件で働くかを明示した労働条件通知書を契約者に渡し、雇用契約書にサインをしてもらうこと。
厳密に言うと労働条件通知書と雇用契約書を兼用したものに、雇用主と事務員さんの署名捺印をするという形をとります。
すこし難しい単語を使いましたが説明します。
法律上、労働条件通知書を事務員にわたす義務があります。
これは労働基準法によって定められている義務ですので、なにかトラブルが起こった場合に、、これがなければ不利になってしまうので必ず通知書は事務員にに提示するようにしてください。
そして通知書を渡すだけでは、トラブルの際に効力が弱い。しっかりと契約書として残しておく必要があります。
義務はあるのは労働条件通知書。でもサインや捺印も行いたい。
ですから一人親方と事務員の両方が署名捺印を行う雇用契約書に労働条件通知書を明記して、労働条件通知書兼雇用契約書を作成するのが一般的です。
これはアルバイトであっても正社員であっても同じです。
雛形などは、たくさんインターネットで出てくるので探してみたください。
労働条件通知書とは
労働条件通知書とは、労働基準法で定められた雇用主が労働者に対して提出義務を持つ書類です。
記載すべき内容は特に決まりはありませんが
労働契約の期間
就業場所
業務内容
始業/終業時刻
休憩時間
休日/休暇
賃金の計算方法/締日支払日
解雇を含む退職に関する事項
などが記載されていれば間違いありません。
 
 
まとめ
一人親方が事務員を雇う場合に気をつけることは、法律上の必要書類と、心構えです。
まず法律上に必要な書類や手続きを忘れると、訴訟にあったり、もしくは法律違反で、罰金などのケースもあります。
そして青色事業専従者のように、知っているだけで節税できる場合もありますので、必ず知っておきましょう。
そして面倒でも高くても、社会保険には加入することをおすすめします。
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