偽装一人親方について 実態と対策について徹底解説!

偽装一人親方について 実態と対策について徹底解説!

国土交通省が偽装一人親方の取り締まりをさらに強化するそうです。高齢化が進み社会保険料の取り立てを推進する一環で、建設業にもメスが入りそうです。

自分で会社を経営していたり、サラリーマンをしていれば、社会保険のえげつない高額な保険料はわかると思いますが、この社会保険料を逃れるため、建設会社の技術社員の一人親方化が進んでいます。

建設業界はご存じのように古い体質で多重請負構造になっていて、末端の下請け業者になるほど低賃金かつ労働分配率が高くなっています。

当然、国土交通省はそういう実態を把握していますが、厚生労働省の強い要望と策略で建設業界からより多くの年金保険料を取り立てることに目を血眼のようにしています。

参考 労働新聞社 建設業 「偽装一人親方」是正へ 規制逃れ狙い表面化 国交省

法人はすべて強制加入

法人と言っても大企業から、一人親方が法人成りした、個人事業に毛が生えた程度の泡沫会社まで、法律は同じ取り扱いになっています。昔は、何人未満の会社なら社会保険の強制適用ではありませんでしたが、現在は社長たった一人の会社であっても社会保険は強制適用になっています。

大企業と同じ責任と負担を「法人」であれば容赦なく負担させれらるわけです。

そもそも、そこからして大きな矛盾と無理があるわけですが、厚生労働省というのは、どうしようもないくらい強欲で、人数も少なく、経営基盤が脆弱な会社でもお構いなしに取り立てをしています。

そこには、社会保険料が払えない会社は潰れてしまえという強い意思(悪意)が読み取れます。

えげつない社会保険料

税金であれば、赤字なら課税されませんが、社会保険の場合は違います。会社が赤字だろうとまったく関係なく保険料を徴収します。

ざっくり言うと、給与のうち社会保険料が約40パーセント、税金が10パーセントになります。つまり給与でもらうと半分も国に持って行かれることになります。そして手元に残ったお金を使うと10パーセントの消費税をとられてしまうわけです。

江戸時代は四公六民と言って、年貢の取り立ては4割だったわけですが、現在はその逆で6割を社会保険料と税金で持って行ってしまいます。

これでは、いくら頑張って働いても生活がよくなるはずがありません。

パートからも取り立て強化

厚労省は最近、パートから社会保険料を取りたて強化を始めました。まだ50人以上の会社が対象なのですが、近いうちにそのような制限もなくなるのは目に見えています。

一人親方が、会社を設立して経理事務等をパートにお願いすると、そこにも社会保険の網がかかるわけです。

※参考 全国健康保険協会 保険料額表

少子高齢化の犠牲者にならない

この問題は少子高齢化が進み、現在の年金制度が維持できなくなっていることにあります。これは少子化を放置した国の明らかな失政なのです。

「年金は世代間の架け橋」というキャッチフレーズももはや少子化の前にはむなしいだけです。今払っている年金保険料は現在の老人のためであり、次世代はどんどん数が減って、架ける橋(保険料)がないわけですから。

このように国の明らかな失敗の尻拭いを弱い者にも強制するのは、まったく筋違いです。

社員を外注の一人親方にすれば消費税も安くなる?

社員が独立して一人親方として会社と業務請負契約をするようになれば、会社に税金面での大きなメリットがあります。

人件費というのは、消費税の課税仕入れに算入することができません。したがって会社の経費の中で人件費の割合が高いほど、消費税の納税額が増えます。ところが業務委託費ならば、課税仕入れに算入することができます。だから、社員が独立して、業務請負をする一人親方になれば、その業務費依託費は課税仕入れに算入することができます。つまり、その分だけ消費税が安くなるというわけです。

(ただし、ここまでの話はインボイスが導入されるまでです。一人親方がインボイスを発行する消費税の課税業者になることはあまりなさそうなので。)

前項でも触れましたが、会社は、社会保険料や福利厚生費の支出も抑えることができます。社会保険料と福利厚生費は、大企業でだいたい人件費の30%、中小企業でも20数%くらい(本人負担分を除く)と言われています。つまりこれが、いらなくなるわけです。

一人親方として独立する社員の業務委託費に若干金額を上乗せしてあげても、かなりの経費が削減できるはずです。

社員の偽装一人親方化とは?

このような状況の下、もはや高額な社会保険料に経営的に耐えられなくなった建設会社が、社員を一人親方に転換しています。そうすれば、あのえげつない社会保険料の支払いから逃れることができるからです。

ある会社での実話ですが大手ゼネコンと直接取引している年商10億以上の優良会社が、所属の職人を正社員にして社会保険ら加入したら、たちまち経常黒字がなくなり赤字になってしまいました。

なにが問題になっているか?

社員との間で合意があることが前提ですが、外注の一人親方になってもらうこと自体は、実は違法でも何でもないのです。

問題は、一人親方と言いつつ、その実態は社員みたいなものになっていることが問題なのです。社会保険料をはじめ、人を雇用していると様々な縛り(社会保険料、労働基準法、税金等)がありますが、実態が以前と何も変わらないのにその負担だけを逃れている・・・と言うわけです。

どうすればいいか

一人親方にしたら、今までの様に社員のように扱ってはいけません。今後は、仕事をしていただく大事な下請業者さんとして認識を変えないといけません。つまり、本当の意味で、本物の一人親方になってもらうのです。

一人親方にしたら、労働時間ではなく仕事の成果について報酬を支払うことになります。

具体的には

・時間給ではなく時間単価

・就業規則の適用はなく下請基本契約

・労働時間の管理はしない。タイムカードは廃止

・労働者名簿ではなく作業員名簿

・仕事を断ることができ、他社で仕事をすることもできる

・工具等の仕事道具は会社で貸与しない

・会社で源泉徴収はできないので、税務署に個人事業の開始届を出してもらう

・現場での作業開始時間、作業終了時間、休憩時間については一人親方の裁量にまかせる

いかがでしょうか。

※ 参考 厚生労働省 「労働者について」

上記ができないと「偽装一人親方」と指摘される

えげつない社会保険料から逃れるには、本物の一人親方になってもらう必要があります。カタチだけじゃ駄目なのです。

一人親方が偽装と判断され、指摘されれば、当然、元に戻されますし、またその際にペナルティーも課される可能性が高いでしょう。

素人知識で生半可なことをすれば大やけどをしますので、労務や税務の専門家の指導を受けて、緻密にやらないといけません。

法人にするのは考え物

独立したら、「社長」と呼ばれてみたい。業種にかかわらず誰でも一度は思うことですし、それを夢見る若者も多いです。

埼玉労災の一人親方様の中にもそういう方がいます。相談があれば、メリット、デメリットを説明して考えて戴いております。

特に株式会社について言えば、将来上場して、株を売って資金調達なんてことは、ほぼないくらいなのに簡単に株式にしてしまう人が後を絶ちません。年金事務所や税務署に雁字搦めにされるデメリットをまったく考えず法人設立してしまう方がいます。

税理士にすすめられて法人にする人も多いです。法人にした方がよい場合ならいいのですが、たかだか年商1,000万円程度で法人成りしているケースもよく目にします。税理士報酬も法人の方が高額になるからでしょう。

最近では個人成りがトレンドに

会社にした途端、もうからなくなった。もうやめたいと言う人が増えています。最近では、会社をたたんで個人事業主に戻る方も増え「個人成り」という言葉を聞くようになりました。

偽装一人親方 まとめ

偽装一人親方とは、実態が雇用された社員と変わらないのに、外注の一人親方として、社会保険料等の負担の逃れている一人親方のことを言います。

偽装ではなく本物の一人親方にすれば法的にはまったく問題になりません。雇用された社員と一人親方の違いをわからずに小手先のことをすると大変なことになってしまうことがあります。

 

埼玉労災一人親方部会

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